製造迷夢

超能力なんて使わなくたって、わかりたいと思うひとのことはわかるものよ。

井伏美潮
2014.06.17(火)若竹七海
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 いつも若竹七海の長編を読もうと思っていながらにして短編にたどり着く、次こそは長編を読もう。それはさておき、この連作短編は、タイトルからまったく想像できないものであったが、いつもの鋭さとはまた違った面白さがあって、こんな作品もあるんだと感じさせてくれた一冊でした。

 渋谷猿楽町署刑事、一条風太のところには、いつも若い女がが面会にやってくる。なぜか、奇妙な話とともに。
ある日おとずれてきたのは、「一条刑事、殺してやるっ」と、いきなりナイフの刃を突き出してきた女だった。女はさけぶ「この、人殺し。あんたのせいで友昭は死んだんだ。」。
 悪夢のような連続殺人事件、その重要参考人として一条がひっぱり、取り調べを受けたのが若菜友昭だったが、そのアリバイはその一条自身によって明らかにされたのだった。しかしその後、若菜友昭は自殺してしまう。いったいなぜ自殺してしまったのか?連続殺人になんらかのかかわりがあったのか?
 とある事件で知り合った、サイコメトラーという能力と、興味を持った事件に首を突っ込みたがるという癖をもった井伏美潮とともに調べていくうちに、事件を予想だにしない展開を見せる。 -逃亡の街より

 この井伏と一条の関係性がすごくいいですね、お互いがお互いとちょっと思っているという感じが。そして、どの事件も意外な展開を見せて、ときに残酷な結末もあるけど、この二人のおかけで暗くならずにすんでいるので、読んでても読後感がいいです。
 サイコメトリーできちゃったら、事件なんてすぐ解決するんじゃ?なんて思ってもそうではないんですよね、それはあの手この手でだましてくれます。いくら残留思念よみとっても、その人知らなかったら、そう簡単にわからないですよね。
 そういえば、最近やっていたドラマ「BORDER」も、死人が話したらなんでも事件解決するんじゃ?なんて思っても、ちゃんとあの手この手があって感心しましたね、みなさんさすがですわ。

 ちなみに、この製造迷夢というタイトルの意味は、、、本書を読んでもよくわかりませんでした。

ドラゴンフライ (河合莞爾著)

日本はトンボの国なのだ!つまるところトンボは日本そのものなのだ!トンボが住めなくなったらそれはもう日本ではない!

日本蜻蛉会議代表 波野兵助
去年の冬、きみと別れ (中村文則著)

僕が彼女達の写真をもう撮っていんだから、実物が死んだってどうだっていいじゃないか。

木原坂雄大

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