蘆屋家の崩壊
幽明志怪シリーズ - 1

猿渡さん灯台もと暗しでした。大宮にやたらと旨い豆腐を出す店があったんです。

伯爵
2012.12.15(土)津原泰水
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 物語の冒頭、伯爵から食に対するセリフが飛び出すたびに、ボク達はその物語を想像しては裏切られる。それをひたすらに楽しみにして読むのが本小説ではないでしょうか?

 齢30を過ぎて無職のおれこと「猿渡」と、ひょんなことで出会った怪奇小説作家の「伯爵」。二人は、その食欲の赴くままに、全国津々浦々と旅にでるのだが、そこで出会う奇妙の人々と、奇妙な謎がおりなす物語に、時に背筋が凍り、時には驚嘆し、時にくすっと笑ってしまいます。特に、蟹を食べにいった先で出会った謎。そのラストには誰もが思いもしなかった結末が待ちうけてるんじゃないかと思い、それでいっぺんに好きになりました。

 津原氏の作品を初めて読んだのは、SF短編集「NOVA2」における「五色の舟」という作品で、未来予測する半人半牛の「くだん」という怪獣が出てくるのですが、そのSF短編集のなかでのひときわ際立つ異様さがとても印象に残っていて、本作品でもその感じがとても出ていて、一言で言うとやっぱり「怪奇小説」というものになるんでしょうか。江戸川乱歩賞って、本当はこういう小説にあげるもんじゃないか?そんな感じです。

 なにはともあれ、はやいところ電子書籍で読める人待っています。

ロビンソンの家 (打海文三著)

世界は解読されている。せめてそのことは認めようじゃないの。でも出口はどこにもない。

李花
機龍警察 (月村了衛著)

一応、警察小説っぽい部分はあるんですけどね・・・

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