瞳の中の大河

貧しい家の者が、いくら勉強しても、何の役にも立てられない世の中を変える方が先だ

シュナン
2017.03.05(日)沢村凛
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「黄金の王 白銀の王」で描かれた独自の世界観とそこで描かれている人々の心情描写のすばらしさに魅せられて本書を手に取りましたが、、、これもまた大傑作じゃないですか。なんでこれがまったく話題になってないのか?不思議で仕方ありません。

本書もまた架空の国でのファンタジー小説なのですが、将軍の実の甥でありながら絶縁されているという複雑な出自をもつアマヨク少尉が、自らの信じる正義をまっとうするため全力で戦いながら生き抜いていくその様が真正面から描れていて心にぐっとつきささります。時に挫折しそうになりながらも、愚直なまでに正義をつらぬこうとするそのさまは本当にすばらしい。
永遠のライバルともいえる野賊オーマ、敵同士ながらひかれあうカーミラ、そのカーミラが産み落とした望まれない子シュナン、それぞれと関わり合いながら成長してい自らと、その周りの人物たちにも変化をもたらしていく過程はページをめくる手が止まりませんでした。

ボクは上橋菜穂子著「守り人シリーズ」が大好きなのですが、あの10冊を読んだ感動と同じような感動をこの1冊で感じることができました。これほど幸せなことはないかなぁと、なんせ時間が1/10なんですから。すばらしい作家だと思うんですが、なかなか本屋ではみかけないんですよね。電子も3冊しかないし、、、なんでだろうか、本当に不思議でしかたありませんん。。

今回の引用はアマヨクに育てられたシュナンが驚きの決断をした時のセリフですが、それが後に大きなうねりを産み出すとは、そんな決断だったのかは是非本書を読んでみてください。

黄金の王 白銀の王 (沢村凛著)

殺せ、殺したい、殺すべきではない、殺したくない


泥棒は選べない (ローレンス・ブロック著)

「あなたはこれからも錠前を破ってはものを盗むのね?」「ほかにどうする?」「さあ」

バーニイと女の会話
静かな炎天 (若竹七海著)

きっちりと隙間なくビルを建てて。問題のある場所はきれいに避けて。死んだ人間の戸籍は消して。ムダがない。効率的だ。反吐が出る。

角田港大

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