泥棒は選べない
泥棒探偵バーニイシリーズ - 1

「あなたはこれからも錠前を破ってはものを盗むのね?」「ほかにどうする?」「さあ」

バーニイと女の会話
2015.08.08(土)ローレンス・ブロック
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殺し屋ケラーほどスタイリッシュ過ぎず、アル中探偵マッドスカダーほど人生に絶望しているわけではない、その二人の強烈すぎるキャラクターのちょうど中間みたいな感じの泥棒探偵バーニイですが、それもそのはずこの二人よりも前に生まれたキャラだからなんですが、、、そのせいかちょっとライトに感じましたね。

天才的な錠前やぶりの技術を持つプロの泥棒バーニイは、とあるアパートに忍び込み、小箱を盗み出すだけで5千ドルの報酬というおいしい仕事に取り掛かっていた。ところが世の中そんなに甘くなく、家さがしの途中になじみの警官に見つかっただけでなく、なんとその部屋には死体があったのだった。
いったいどうなっているのか、誰かにハメられたのだろうか?なんとか現場からは逃げたものの当然のごとく指名手配となったバーニイは、身を隠すため、偶然留守だった知り合いの役者の家に忍び込む。さて、自分の無実をいかにして証明するか?もちろん警察には頼れない。そして、思案に暮れながら一晩過ごした朝にやってきたのは、指名手配されているにもかかわらず、自分の無実を信じてくれるという謎の女。いったい彼女は何者なのか?そんな疑問を感じながらも自分の無実を証明するための一筋の光明を見出したバーニイはその女とともに動き出す。果たして誰がなんの目的でこんなことをしたのか?そして誰が殺人を犯したのか?自分の無実を証明し、ふたたびプロの泥棒にもどるために。。。

どちらかというとスカダーもののようにプロットがしっかりしていて、かなり注意深くよまないとおいていかれる感じもありますが、最後の最後まで気が抜けない感じではありました。ただ、空気感というか追われているはずのバーニイに悲壮感みたいなものを感じないのが不思議で、その辺がケラーものっぽいんですよね。これを2分割して濃くしたのがスカダーとケラーそれぞれにいったのかなと思います。

ただ、こんな状況になっても泥棒をやめる気がこれっぽっちもないということを吐露するシーンだけは、なんとなく犯罪から足を洗うことの難しさやその怖さを感じて、そこだけ空気がひんやりした感じがしました。さて、バーニイは自分の無実を証明してふたたび泥棒稼業にもどることができるのかどうか?それは本書でお確かめください。

リバーサイド・チルドレン (梓崎優著)

どうしようもなく泣きたくなったときには、星が代わりに泣いてくれるんだ。

ヴェニイ
瞳の中の大河 (沢村凛著)

貧しい家の者が、いくら勉強しても、何の役にも立てられない世の中を変える方が先だ

シュナン

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