横道世之介

世之介と出会った人生と出会わなかった人生で何かが変わるだろうかと、ふと思う。たぶん何も変わりはない。ただ青春時代に世之介と出会わなかった人がこの世の中には大勢いるのかと思うと、なぜか自分がとてもとくをしたような気持ちになってくる。

加藤
2012.12.29(土)吉田修一
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 んー、またしても「田村はまだか」メソッドか、、、と思いきや、さすが吉田先生!見事なまでに、斜め上まで進化させてます。

 大学入学のため、上京した横道世之介18歳。新宿につき、都会を満喫することになるかと思いきや、住むのは東久留米であったり、大学入学と同時に、サンバサークルに入るはめになってしまったりと、その行動がなぜかすべておかしく愛おしささえ感じられる男。そう、横道世之介はがんがん出てきて、すばらしくおもしろおかしいエピソードをたっぷりと披露してくれます。

 そのまま横道と、大学入学初日に出会った倉持一平、阿久津唯を中心に、大学生活の色恋沙汰がおもしろおかしく描かれ、同時代を過ごしたものとしてはノスタルジックにたっぷりひたることになるんだろうなぁと思いきや、読者をどんどん裏切っていく展開といい、ずーんと心に響くラストといい、これです!これを待ってました!さすが、吉田先生(2回目)!もう、サスペンス的な余計なものには目をくれず、こういう良作を是非これからも生産しつづけていってもらいたいと思います。

 で、これまた映画化で、高良健吾の横道はぴったりで、吉高由里子の役どころも、まあいいんじゃないでしょうかね。ボクのなかでは、木南晴夏くらいがちょうどよかったです。

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