暗闇にひと突き
マット・スカダーシリーズ - 4

バーバラはあの子をしっている誰かに殺されたんです。葬式に来た誰かに、あの子の死を悼むふりをしていた誰かに。冗談じゃない、私には耐えられない!

チャールズ・ロンドン(バーバラの父親)
2014.12.06(土)ローレンス・ブロック
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何故こうも愛おしくなるようなキャラクターをいくつも産み出せるのだろうか?殺し屋ケラーにつづいて、またも好きになってしまったアル中探偵、マット・スカダー。

とある事件のトラウマから刑事をやめ、アル中になり、つねにアルコールの誘惑と戦っているマット・スカダー。彼は正式な探偵ではなかったが、なぜか彼には依頼が舞い込んでくる、それもやっかいなやつが。
今回の依頼人は、9年前におきた連続殺人事件、通称「アイスピック殺人」事件の被害者バーバラエッティンガーの父であり、その依頼とは「娘を殺した犯人を見つけてほしい」というものだった。「アイスピック殺人」の犯人は2か月の間に犯人の女を殺した。どれもみな昼間に被害者の家を遅い、アイスピックでめった突きにするという手口だったが、もっとも象徴的なのは両眼をも突いているというところだった。
しかしながら、犯人は3週間前に捕まったばかりだった。だが、逆にこのことこそが父親の疑念を確信に変えてしまったのだ。それは、犯人が7人の被害者については犯行を認めているが、残りの1人、バーバラエッティンガーについては、犯行を否認したのだった…。
数少ない手がかりをもとに、くらいついたら離さない、スカダーの捜査が始まる、果たして犯人はやはり別人だったのか?なぜ、バーバラエッティンガーは殺されなければならなかったのか?

自分はアル中ではないと、人には言いつつも、それに悩んでいるスカダー、昔のトラウマを人に吐露してしまうスカダー、悲しみを背負いながら誰かのために、自分の仕事をまっとうしようとしている人間はやはりどこか魅力的に見えてしまいますね。
物語は王道のミステリーで、ミステリーとはやはりどこか自分探しの旅であると感じさせる一冊です。スカダーシリーズももっと電子化されるといいんですけど、いまのところはこれと、「八百万の死にざま」の2冊だけって、ちょっとさびしいな。

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