春から夏、やがて冬

月と日が入れ替わっているからといって意味などあるわけないのに、何か特別なものを感じてしまった。困っている君を見ていたら、あの子が困っているように思えてきて、とても放っておけなくなってしまった。

平田
2014.11.01(土)歌野晶午
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主にどんでん返しが得意な歌野氏の王道とも言えるミステリでしたが、「葉桜の~」に比べるとやや地味ですかね。その分、人間の気持ちが描けているというか、驚きは少ない物の心にずしっと来るものはありました。

スーパの保安責任者である平田は、ゆうに千人を超えるの万引き犯を捕らえており、どんな相手だろうと対応は熟知していた。ある日とらえた若い女性の万引き犯も、いつもどおり警察に引き渡すところだったが、免許書を見た途端に目が釘づけになった。それは「昭和60年10月5日生まれ」だったからだった。昭和60年生まれ、それは平田にとって特別な意味を持つ年であった。
なぜか警察に突き出すこともなく返してしまったその女性、末永ますみと期せずして再会することになる。なぜか自分につきまとう末永に初めは冷たく対応していた平田だったが、徐々にお互いの話をしあうようになり、少しずつお互いの秘密が明らかになっていく。そして、最後の秘密が明らかになったとき、二人に訪れる運命とは、、、

平田が秘密を告白するシーンは読みごたえがありました。そして、平田の抱える闇が少しずつ明らかになるにつれ、この物語がどこに向かっているのか?最後までわからず気になってしかたがないという仕掛けはさすがです。最後は地味な終わりなんだろうと思っていましたが、そうはなりませんのでご期待ください。しかし、歌野氏にしては人の心を丹念に描いていると思いましたね。なんたって、ゲーム感覚で人殺ししちゃう「密室殺人ゲーム」シリーズを3冊も書いちゃってますかね。これを読んだときはひどいなーなんて思いましたが、読んじゃいますよね。人の心は残酷な面もあるんだろうねー。



復讐のトレイル (C.J.ボックス著)

「なぜ、私なんです?」「なぜきみかって?きょうはいったい他になんの用事がある?」

ジョーピケットとスペンサールーロン
神の子 (薬丸岳著)

たった今から、おれは自分の幸せを求めることにした

町田博史

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