大絵画展

コーヒーカップが空になっていた。店主は自ら、緑茶を入れた。どことなくいそいそと見えたが、定子は気にならなかった。語り部は相手を選ばないのだ。銀座の通りがほんの少し夏の疲れを見せていた。

大浦定子
2013.05.14(火)望月諒子
このエントリーをはてなブックマークに追加

 幼少より、ルパン三世を見て、ギャラリーフェイクや、ジェフリーアーチャーを読みふけっていたものにとっては、美術ミステリーと聞くだけで、なんかワクワクしちゃうんだよね。そして、それがコンゲームときたら、、、結果かなり満足できる作品でした。

 資産家の長男である、大浦壮介。職業は一応グラフィックデザイナーと名乗っているが、典型的なすねかじりで、父親が同情でくれた開業資金をもとに、会社を興したものの、あっとうまに倒産し、いかにして親に金を無心しようかと考える日々であった。
 そんな中、はぶりのいい矢吹という客に、突如持ち掛けられた詐欺まがいの儲け話にのるのも当然であり、大金が手に入る日を夢見ていたが、、、世の中そんなにうまくいくはずもなく、だまされてさらなる借金を背負っただけだった。
 似たような境遇にあった、スナック経営者の筆坂茜、銀行員の城田は、ともに借金返済のため、バブル時代にとある企業が約180億で競り落とした、ゴッホ作「医師ガシェの肖像」を盗み出す計画を立てる。計画は完璧に思えた、ただ倉庫から盗むだけの簡単な仕事だったはずが、少しずつ狂う計画。果たして、絵を盗み出すことができるのか、そしてその先にある未来は・・・・。

 最初のオークションシーンから手に汗握り、現れては消え、消えては現れてく怪しい人たちが一堂に会するとき、果たしてどうなるのか・・・・。だまされた人々が協力してだました人を、みたいな「100万$を取り返せ」みたいな展開を想像していると、かなり裏切られますのでご安心を。

 大浦壮介の母が、息子の生活費を工面するため、銀座の画廊に絵を売りに行く場面が、せつない表現で描かれているわけですが、これがすべての始まり・・・かもね。

彼女は存在しない (浦賀和宏著)

タイトルがほとんどネタばれじゃね?

夏を喪くす (原田マハ著)

少年とはいい大人の男の別称である。

野中咲子

コメントをどうぞ