名も無き世界のエンドロール

「つまりさ、このくそつまんねえ世界を動かすのは」「なんだよ」「ドッキリさ」

マコトとキダの会話
2015.03.22(日)行成 薫
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青春小説かと思いきや、あまりにビターな展開に翻弄されながらもほんの少しだけ遠くに光が見えたような、そんな何とも切ない読後感を与えてくれた小説でした。

自分をドッキリストと称し、どんなときでもドッキリを仕掛けることを生きがいとするマコトと、警戒しているわりにそのドッキリに簡単にひっかかってしまうキダは、小学校時代に出会い、最初の就職先も同じという、いわゆる親友だった。
そのマコトがある女性に「プロポーズ大作戦」を決行すると言い出した。ドッキリが生きがいの男が決行するプロポーズ大作戦、それはスケールを超えたドッキリであったが、はたして、そのドッキリとはいったいどんなものなのか?そしてプロポーズされた女性が迎える想像を超えた結末とは?

小学生、高校生、そして現代を行ったり来たりしながら進行していく物語なので、ちょっと戸惑うかもしれませんが、読み進めればだんだんと物語がわかってきます(なので、「二度読み、間違いなし」みたいな帯が持つ性質と、ちょっと違う気がするんですけどね…)。
その中で出会うもう一人の親友ともよべる女性の存在が、この物語の核になるんですが、その3人の関係性がキラキラすればキラキラするほど、その結末に不安を覚えるのは、ミステリ好きなら誰でもそうなんじゃないですかね。そしてそのキラキラさが卑怯なまでのキラキラならなおさらです。

ドッキリが生きがいというだけあって、マコトが仕掛けるドッキリはくだらない物から、感動的なものまでさまざまですが、そのマコトがいうこのセリフが、後々になってジーンとしてくるんじゃないでしょうか?そして彼が変えたかった世界とはいったいどんな世界だったのか?それは本書でお確かめください。

殺し屋ケラーの帰郷 (ローレンス・ブロック著)

あらゆる人間の不幸は部屋でじっとしていられないことに根ざしている

パスカル
その女アレックス (ピエール・ルメートル著)

今のでなにがわかったと自問した。なにも......。カミーユは唇をかんだ。

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