パラレル

携帯電話やメールに触れ、その便利さを実感する毎に思う。これで楽になって浮いた時間の分は、働かない方向に費やされればいいのに、世界は一向にそうならない。空いた時間を詰めて次の仕事をいれるようになっていくだけだ。

向井七郎
2013.04.15(月)長嶋有
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1972年4月から、1973年3月生まれの方、ご安心ください。僕らの時代の空気感は、長嶋有があますとこなく届けてくれます。
読むたびに、思わずこう言いたくなるほどに、体の隅々まで、文章が行き渡りなじんでいく。

ゲームデザイナーの向井七郎は、自分の信念を曲げられず、会社を辞めた。自分のゲームがどんどんと他のゲームと似てきてしまうのが嫌だったからだ。時を同じく、妻と離婚した。それからは何事にも頓着できない自分になってしまった。顔面至上主義の会社経営者で大学時代からの友人である津田、離婚後も頻繁に連絡してくる元妻、キャバクラで出会う女たちとの、どこかせつなく、どこかあたたかい日常。それがそのままつづくと思われていたが・・・

腐れ縁ともいえる、七郎と津田との関係性は、口には出さないがお互いにお互いを必要としていることがわかっている。そんな感じが心地よい。それは、SNSでいつでもつながれ、お互いにお互いを思っているということを、いいねで証明するということとは少しちがっているが、それが当たり前の世代にはどう映るんだろうかね。

その2人の会話ででてくるアイテムに、いちいちうなずき、こぶしを握ってしまいす。例えば、

雲のジュウザ・・・北斗の拳のいぶし銀キャラね
ビシソワース・・・なんかこれを言うとおしゃれだった
レザボアドッグス・・・大抵したり顔で、タランティーノはデビュー作が一番いいよねとかいいたがった
無印良品でそろえた部屋・・・ボクの家にもいったいいくつあることか
F1・・・マンセル、セナ、ピケ、ベルガーなぜかいまでもあの当時のドライバー名は言えてしまう

とまあ、こんな感じ。わかる人にわかればいいってことで。

リンカーン弁護士 (マイクル・コナリー著)

無実の人間ほど恐ろしい依頼人はいない。そして無実の人間ほどこちらにあとを残していく依頼人もいない

ミッキー・ハラー
彼女は存在しない (浦賀和宏著)

タイトルがほとんどネタばれじゃね?

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