パラドックス13

生きる意味をしるには、ただひたすら生を求めるしかない

久我誠哉
2015.06.28(日)東野圭吾
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小難しい理系の話をわかりやすくかつエンターテイメント化するというお得意の手法ですが、その本質はその小難しいところなんかどうでもいいと思わせるだけの人間ドラマなんでしょうね。

強盗殺人犯の確保に動いていた久我誠哉の元に「本日13時から13時20分までは、極力、警察官を危険な任務には就かせない事」という謎の指示が告げられる。いったいどんな理由があるのか?と思案する誠哉の目に飛び込んできたのは、不用意に近づく所轄の刑事、そしてそれは自分の弟の冬樹だった。
邪魔をするなという兄の言葉にやるせない思いを感じる冬樹だったが、犯人グループらしき男を見つけた途端、自分を止めることができず確保に動いていた。だが、犯人を確保しようとしたその瞬間反撃にあう。
犯人に連れ去られようとしていた冬樹を見つけた誠哉は冷静さを失い犯人に近づいたことが原因で撃たれてしまう。そしてそれを見ていた冬樹もまた犯人の魔の手に落ちていく。
だが、撃たれたと思った直後、冬樹がみたのは信じられない景色だった。目の前にいたはずの自分を撃った犯人はおろか、自分以外の人がだれもいない世界だった。いったいこの世界に何が起こったのか?ほかの人はいったいどこにいったのか?そして生き残った者は?

突如、極限世界に放り込まれた人間を描くことでより生や死、そして倫理などが浮かび上がり、人間とは地球とはというところまでいろいろ考えさせられますね。冬樹のほかにもこの世界で生き残った者たちがいるのですが、その共通点は結構わかりやすいので序盤で気づく人も多いと思いますが、それがわかっているほうがよりドキドキするというか、いったいどうなっていくのかがより不安になって物語に引き込まれていくように思いますね。
そしてタイトルにあるパラドックスの意味を知ったときはちょっと驚きです。そこまで深く考えているとは、さすがベストセラー作家ですね。しかし、このスピードでこのクオリティの作品を連発されたらやっぱりたまらんので、たまにしか読まないようにしますわ。

密室殺人ゲーム・マニアックス (歌野晶午著)

主人公だから無敵なのではありません。あまたの危機を乗り越えて生き残った勝者だからこそ、主人公として描かれているのです。

axe
リバーサイド・チルドレン (梓崎優著)

どうしようもなく泣きたくなったときには、星が代わりに泣いてくれるんだ。

ヴェニイ

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