ナニワ・モンスター

結局のところ、海堂作品は全部読むしかないのだ。

津田大介
2014.08.23(土)海堂尊
このエントリーをはてなブックマークに追加

これはいったいなんだ、なんとういジャンルの本なのだ。医療ミステリー?、それとも政治ドラマ?、いくつものテーマが複雑に絡み合い、とてつもない物語が生まれ、現在進行形で育っている。そうか、これがサーガというやつか。

アフリカで発生したインフルエンザ「キャメル」。世界中で蔓延の兆しをみせつつあったこのウィルスを、水際で食い止めるべく、国は厳戒態勢をとる動きを見せていた。マスコミ報道も過熱していたそのころ、浪速市医師会の菊間徳衛はそれを不審に感じていた。なぜなら、そのウィルスは伝播力はあるが、弱毒性なのは明らかだったからだ。普通のインフルエンザでも年間1万人死亡しているのに、このキャメルではそれをはるかに下回る死亡率しかないのだ。
そんな中、一人の少年が救急で菊間のもとに運ばれてきた。偶然にもキャメル判定キットを入手していた徳衛の息子祥一が、それを使って判定したところ、なんと「キャメル」と判定されたのだった。なぜ、水際で食い止めているはずの「キャメル」が、渡航歴もなにもない少年から発生したのか?いったいこの国でなにが起こっているのか?

「キャメル」の国内第一症例となってしまった少年、そして浪速市に対するマスコミ報道はますます過熱し、それはこの市の経済さえも破壊するほどの影響を与えたのだった。なぜ、弱毒性の「キャメル」に暴走ともいえるほど報道が過熱するのか?そこになんらかの陰謀を感じていた浪速市府知事、ドラゴンこと村雨弘毅、特性のエース、カマイタチこと鎌形雅史、スララムージュ(大法螺吹き)彦根新吾とともに戦いを開始する。これは国と地方の生き残りをかけた戦争だ。

以前、「叫びと祈り」を読んでいた時は、エボラ出血熱がまだニュースになっていなかったような気がしましたが、これを読んでいるころは結構報道されていたりして、ウィルス関連でいろいろシンクロがつづいていてちょっとびっくりです。ちなみに、本書でもキャメルのことを砂漠の船と書かれていて、これまたシンクロしています。
海堂作品は小説では「ジェネラル・ルージュの凱旋」以来(ドラマでは「アリアドネの弾丸」「螺鈿迷宮」を見てましたが)とまってるわけで、こんな展開になってるとは思ってませんでした。いや、確かにいつも医療ミステリーといいつつ、「ジェネラル~」ではほとんど医療場面でてこないとかあるんですが、こうも拡がりを見せるとは大した物語創造力です。ちなみに、海堂作品にこの物語の伏線はいたることろにちりばめられているのですが、特に「イノセントゲリアの祝祭」は絶対読んでおかないとダメみたいです。そこで本物語の主要キャラが活躍しているらしいので。いや~、久々に読んでないことを後悔しました。

ちなみに、あの津田大介さんが解説をかかれていてびっくりしたのですが、津田さんのおっしゃるとおり、海堂作品は全部よんでなんぼなんだと思いました。

真鍮の評決 (マイクル・コナリー著)

「現実を甘く見るなよ、ハラー。ミスをするんじゃないぞ」「ご助言に感謝する」

ボッシュ & ハラー
われらが背きし者 (ジョン・ル・カレ著)

わたしたちは学者じゃない。行動するんです。

ルーク

コメントを残す