ナイン・ドラゴンズ
刑事ハリーボッシュシリーズ - 14

「幸運をハリー、娘さんを取り返しなさい。」「そのつもりだ。」

ボッシュとスターキーの会話
2015.02.14(土)マイクル・コナリー
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こんなに戸惑い、焦り、苛立つボッシュを見たのは初めてかもしれません。しかし、どんな絶望的な状況に落ちようとも、決してあきらめることなく、今できる最善の策を力ずくでも打っていく姿勢こそが、ボッシュのボッシュたるゆえんでしょう。

最後に事件を担当してから4週間、待ちくたびれたボッシュにやってきたのは、かつて暴動が起きたエリアで酒店を営んでいた中国人店主の殺人事件だった。単なる強盗事件と思えた事件だったが、わずかな矛盾を見逃さなかったボッシュは、店主が口の中に薬莢を飲み込んだことを突き止める。なぜそんなことをしたのか?捜査を進めるボッシュは、店主が何年もの間とある組織にみかじめ料を払い続けていることをつきとめる。しかも、店の経営状態が悪化していにもかかわらずだ。
そこに今回の事件の謎をもとめるボッシュは、その組織こと中国系犯罪組織・三合会に狙いを定め、強力な容疑者をつきとめる。そしてついに容疑者の身柄を確保した直後、香港に住んでいる娘からメッセージが届いた。そしてメッセージについていた動画を見たボッシュの怒りは頂点にたっする。そこには、監禁されていた娘の姿が映っていたのだった。
娘を取り戻すという強い決意のもと香港に旅立つボッシュ。果たして娘を取り戻せるのか?別れた妻で元FBI捜査官のエレノアとその恋人サン・イーとともに、香港を舞台にボッシュの怒りの捜索が始まる。。。

今回の物語には、家族との関係に悩むボッシュだったり、一度事件でけがを負ってからというものの、現場に行こうとしない相棒との関係だったり、元妻、その恋人との距離関係に悩んだりと、さまざまなことに悩むボッシュの姿が描かれており、今までの妥協のない無敵の男みたいな姿とはまた違った弱い一面が見れてより近く感じられました。ボッシュも一人の父親だったと。

ただ、娘を救出に向かう姿にはいつも以上に力強くかつ冷静なボッシュ。この会話も、科学捜査課のバーバラ・スターキーの力を借りて、動画から場所を特定しようとする場面での会話ですが、その時のあらゆる知識と手段を総動員して、少しでも場所を絞り込んでいく様子は、手に汗握るものがありました。果たして、娘は無事救出できたのか?そして最大の謎はなぜ店主が殺されたのか?その真相は是非本書をよんでお確かめください。

ちなみに、ボッシュと最近ぐっと近づいたあの弁護士や、その弁護士を演じたことのあるあの人も意外な形で登場しますのでお楽しみに!

そういえば、本書のあとがきにありましたが、アメリカではこのボッシュシリーズを原作としたTVドラマ化が進んでいるとか。そのタイトルはずばり「BOSCH」。そして、そのトレイラーがこちら。

実は、Amazonでは全10話がストリーミングで無料で見れるらしい。ということで、そのためだけにAmazonUSAにアカウント作成してみたのですが、なんとリージョンが違うから見れないってさ!!!なにがグローバル化だ!

ボッシュのイメージは思ってたよりダンディだったかな。でも無骨な雰囲気は結構よさそうだし、映像も美しさと緊迫感とがあってよさそうですね。こうなったらWOWOWが放映権を買ってくれることを望むしかない。スカパーとかにもってかれることだけはやめてくださいっ。

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