エコイック・メモリ
クロハシリーズ - 2

君と我々の間には暴力が存在する。君が選んだことだ。我々の面子を潰した責任は軽くない。今度は我々から出向くだろう。

閃光社の老人
2012.12.31(月)結城充孝
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 前作「プラ・バロック」を読んで以来、ボクが本屋でまず探すのは本書「エコイック・メモリ」が文庫化されていないかどうかでした。そして、発見したときの喜びときたら、もったいなくてしばらく読むのをためらったくらいです。

 動画投稿サイトに突如として現れた「回線上の死」という殺人動画。いたづらか、本物か、その判定をまかされた女刑事クロハは、雲をつかむような捜査をしいられつつも、その独特の感性により、すこしずつすこしずつ真相に近づいて行く。
 前事案での活躍により、急速にかわりつつある自分の立場や、周りの態度の変化に、どんどんと孤独になっていくクロハだったが、何かをふりはらうかのように、ひたむきに捜査に向かうその姿に、読んでて痛々しくなります。

 本書はこの動画サイトの事件を中心に、いろいろなサブストーリーが組み合わさっており、複雑な人間模様が形成されています。冒頭で起きる消費者金融立てこもり犯への発砲事件。MMO「微雨ノ降る王國」に関連するRMT(リアル・マネー・トレード)事件など、そのどれもが、今もしくは、少し先を切り取ったようでいて、その感性がさすが未来形です。

 前作にもまして、全体に漂う悪意が恐ろしい。特に、MMO「微雨ノ~」を管理している閃光社とクロハとのやり取りは、どの場面を切り取っても不安しか感じられないほどでした。

 ちなみに、エコイック・メモリとは、聴覚情報の感覚記憶のことだそうです。読み終わった後に知ったのですが、、、いやー、なるほどね。

プラ・バロック (結城充孝著)

「携帯で本部通信司令部へ連絡っ」声を張って女性警官に指示を出し、クロハはアスファルトへ踏み出した。水飛沫。

ソウル・コレクター (ジェフリー・ディーヴァー著)

もちろんです、ライム警部・・・・あなたがおっしゃることならなんでもいたします。ふう、自分はなんと愚かなのだろう。

ロナルド・プラスキー

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